ユーザ調査を行う場合には様々なパターンが想定されます。
例えば、実際に購入した方々に対して、サービスを体感された方々に対してアンケート形式で行う場合、試作品を実際にホームユーステストと言う形で体感してもらう場合、店頭で購入前のユーザに対して具体的に試供品の形で利用してもらってチェックする場合もあります。
しかしながら、大量消費の時代ではなく、これからの時代はこれまで以上に、細やかなセグメントがされ、モノ消費以上にコト消費が盛んになっていくことを考えると、会場調査（CLT）が非常に有効になってくると言えるのではないでしょうか。具体的にそのメリットやデメリットについて挙げていきたいと思います。
会場調査（CLT）のメリット
営業担当者やマーケティングの担当者がダイレクトに顧客やユーザと接点を持ちながらこれからの商品やサービスを探りたい、それも細かなセグメントを行ってヒアリングを行う場合には間違いなく、会場調査（CLT）のメリットがあるでしょう。
実際には、事前にアンケート調査等で必要とされるセグメントを選んだ上で会場に来てもらう場合もあれば、リアルタイムにヒアリングを行った上で調査に協力してもらう場合もあります。このようなフレキシブルな形で調査を行うことができ、場合によってはダイレクトに担当者がヒアリングを行うことができるのが大きなメリットだといえます。
事前に用意された質問以外にもユーザの反応を見ながら、様々なヒアリングを行い、企業としては想定しなかったようなプラスの意見、マイナスの意見を汲み取ることができる場合もあります。
もちろんのことながら、場合によっては、複数人を集めてきて、座談会形式で行うことができるのも大きなメリットです。最近ではインターネット上でヒアリングを行うことも増えてきていますが会場でリアルに顔と顔を突き合わせてヒアリングを行う方が、本音が聞き取りやすく、反応も見やすいこともありこれほどダイレクトマーケティングに適した調査方法は無いのではないかと思います。
場合によっては、調査協力をもらう前に秘密保持契約の書面にチェックをしてもらい、新製品やサービスについてその場でヒアリングを行い、仮説検証の場としてうまく活用することもできるでしょう。このような事はなかなか現場でなければできないことです。
生のダイレクトの意見を聞くことができるのは、コンシューマ市場においては非常に重要なことであり、それも年齢や性別、職業や収入、趣味嗜好といった細やかなセグメントを行った上での調査を行うことなどなかなかできないからです。これからの時代、コト消費がさらに進んでいくことを考えるとこのような現場での調査は非常に有効になってくるといえます。
現場の担当者だけではなく、調査の状況をリアルで責任者、トップクラスが録音などで聞いておき、事業判断を行う場合にもこのような調査結果をうまく生かすと言うことができればさらなる効果を生み出すことができます。
どれだけ現場で起こっていること、ユーザの声が必要かと言うことを考えた場合に、母数としては大きなものにはならないかもしれませんが、現場ならではのコミニケーションでヒアリングすることができる貴重な意見もあるのも実態です。
特に、ターゲットが絞られているような商品やサービス、未開拓の事業にチャレンジしていく場合にはうまく、会場調査（CLT）をマーケティングを行う際のツールの1つとしてうまく活用することができれば非常に良いのではないかと思います。
会場調査（CLT）のデメリット
逆にデメリットとして考えられる事は何でしょうか。何といってもマーケティング、様々な結論を下していく際にどれだけ多くの情報があるか、どれだけ多くのユーザの声を集めることができるかといったポイントが出てくるでしょう。
このような場合には多くの母数を確保することが難しい、それも一律のアンケートを取ることが向いていない会場調査（CLT）は不向きだと言う結論に至ってしまいます。
もちろんのことながら、アンケート調査等はアンケート会社に委託するだけで、簡単に一定の母数を集めながら、意見を総合することができますが、会場調査（CLT）はどうしても調査会社に依頼しても大きな母数を集めることが難しく、場合によっては会場費用などを考えると定量調査を行うには適していないと言う判断に至ることがあります。
マーケティング担当者にとってこれは当たり前の事実であり、様々な調査と組み合わせて利用していくべきである事は誰もがわかっていることです。
また、会場調査（CLT）を行う場合には、それなりのスキルを持った方々が対応しなければなりません。ここを調査会社に依頼しているようでは、実際の商品やサービスに生かすことができませんし、ダイレクトにユーザの意見を集約することができないといったデメリットにもつながってしまいます。
あくまでも企業の担当者が直接コミニケーションを取ることによって、思いもよらなかった意見を引き出すことができたり、将来のサービスに対してのヒントを得ることができるからです。ですから、コミニケーション能力がたけていない企業がこのような調査方法をとる事は非常に難しい、さらにメリットを得ることが難しいと言えるのが実態です。
このように、会場調査（CLT）には明らかにメリットとデメリットがあります。
しかしながら利用方法によって、様々な調査方法と組み合わせることによってその効果を最大化することができるのも実態です。マーケティング担当者の手腕1つでその効果は変わってくると言えるでしょう。
