自宅で新商品やサービスを試してもらうホームユーステスト。ユーザーの生の声が聴けるとあって、1度はやってみたいという企業もあるのではないでしょうか。
ホームユーステスト調査とはそもそもどんな調査なの？
ホームユーステストとは？
ホームユーステストと聞いてどんな調査なのかわからないという方のために簡単に解説していきたいと思います。ホームユーステストとは。企業が新商品やリニューアル商品を試作したものを調査対象者の自宅に送付して一定期間利用してももらってその使用感を聞いたり、評価をしてもらうテストのことです。最近ではネットで商品モニターを募集していることがありますが、そのモニターの方に商品を利用してもらうことです。
モニターの方はこの新商品やリニューアル商品を無料で使うことができたり、調査が終わった後にそのまま商品をもらうことができたりします。その対価として先ほど言ったように商品を利用した際に感じたことなどをレポートなどを通じて提出してもらうのです。
ホームユーステストの特徴について
ホームユーステストに似ているものといえば会場調査があります。会場調査もモニター調査の一つで、指定された会場にモニターが足を運んでそこで新商品を使ったり、食べたり、飲んだりして感想を関係者に知らせるのです。
一方、ホームユーステストというのは名前の通りそのモニターの家で新商品を試してもらうことに意味があります。例えば家電等は自宅で使うというのがほとんどです。つまり、実際に購入者が使ったときの生の声が聞くことができます。企業はこの生の声を知りたいと思っています。
また、会場調査と違うのは長期間の調査に向いているということです。自宅であれば数日、あるいは数か月使ってもらっての声を聞くことができます。より、利用者の本物の声が聞きたいという企業はホームユーステスト調査を選ぶことが多くなっています。
ホームユーステスト調査のメリット
より実用的な生の声を聞くことができる
新商品やリニューアル商品などを作成者や企業の関係者が利用して良いと思っても利用者がどう思うかはわかりません。ホームユーステスト調査をすることによって、実際に購入した人と同じような生の声を聞くことができます。しかも実際に商品を購入した人に近い自宅での使用をしてもらうことでより実践的な感想が聞けるのです。
長期的な使用感を知ることができる
一時的に良いものだなと思った商品でも、長期的に使ってみたらここはちょっと使いづらいなとか、こんな機能があったらいいのになと思うこともあるでしょう。ホームユーステスト調査をしてモニターに長期間使用してもらえばこの問題も解決します。長期的に利用してどんなことがこの商品の問題店なのかを浮き彫りにして、さらなる商品のブラッシュアップにつなげることができます。
商品や企業のファン獲得につながる
そもそもホームユーステスト調査をするような会社や商品はモニターから信頼されやすいです。なぜかというと、商品をより良くしようという思いがあるからです。そのような理念のある企業や商品に対してモニターはファンになりやすいのは当然です。そして、実際にモニターとして利用した人たちはモニターとして利用した商品を買うことが多くなのです。そして、起業の他の商品も使ってみようかなとなって長期的なファン獲得につながる可能性があります。
ホームユーステスト調査のデメリット・リスク
コストがかかる
ホームユーステストを依頼する時には、当然ですが報酬が発生します。ですが、実際にかかる費用はそれ以上なのです。
まずは、商品を発送しなくてはなりません。モニターが住んでいる地域によって違いはありますが、かなりの出費です。更に、商品によっては使用後に回収するための費用も必要になってきます。
いい加減なモニターがいることも
ホームユーステスト調査をしているモニターの方がすべて真面目な調査協力をしてくれるとは限りません。モニターの方というのは何らかの対価を目的としてモニターという仕事をしている人たちなんです。まして、モニターたちは企業が開発した商品やリニューアル商品を欲しいと思って購入した人たちではありません。もちろん、まじめに調査協力をしてくれる人は多いでしょうがそうではない人もたくさんいるということは知っておいたほうが良いです。いい加減な調査をした回答を鵜呑みにすると商品の本源的な価値を見失ってしまうことになるので注意してください。
モニターが途中離脱してしまう
商品によっては、かなりの期間を試してもらう必要があります。そのため、モニターのなかには個人的な都合で離脱してしまう人もいるのです。また、企業側はモニターがきちんと商品を試したのかどうかわかりません。そのため、回答された結果に不満を感じる場合もあります。
たとえば、曖昧な表現ばかりだったり虚偽の内容が含まれていたら再度やり直しをしなくてはなりません。
使用状況がわからない
コスメやシャンプー、更には電化製品とありとあらゆる商品がありますが、全ての人が同じ使い方をするわけではありません。そのため、結果がバラバラなんて事もあるのです。更に、食品の場合は正しく管理しなくては品質が変わってしまいます。
更に、モニターが新商品について周囲に話してしまう恐れもあります。
なかには、SNSに商品の一部が写ってしまうなんて事もあり得るのです。新商品の販売までに一番気をつけなくてはならないのが、情報漏洩です。
他企業の社員がモニターに混じっていることも
また、モニターはすべてが一般の人とは限りません。中には商品を開発した企業とライバル関係にある社員であることもあります。そのような社員が素性を隠してモニターになっていることがあります。そのようなモニターは、ホームユーステスト調査で企業がどのような商品を作成しているのかというのを知ります。そして、自社の商品を開発する際にヒントにしたりいろいろな技術を盗んでいくのです。
ホームユーステスト調査を成功させるために
信頼できるリサーチ会社に調査を依頼する
ホームユーステスト調査もリスクはあるのですが、それでもより良い商品を市場に生み出していくためには有効な調査手法です。そこで重要になるのがホームユーステスト調査をしてくれるインターネットリサーチ会社選びです。このインターネットリサーチ会社選びで信頼できるところを選ぶことによってリスクの可能性を低くしてメリットを得られる可能性が高くなってきます。
信頼できるインターネットリサーチ会社選びはそれ程難しいものではありません。最近ではホームユーステスト調査をしてくれるインターネットリサーチ会社を一括で複数見積もりしてくれるような比較サイトも誕生しています。そこで料金や調査内容はもちろんのこと、調査会社の口コミもチェックすることで信頼できるインターネットリサーチ会社にたどり着けるはずです。
なんでもかんでもホームユーステスト調査してはいけない
ホームユーステスト調査というのは商品なら何でもかんでもすればよいってものではありません。例えば対象者が少ないような商品をホームユーステスト調査してもニッチな市場すぎてモニターがその商品に対して感想に困ってしまったり参考にならないものになるのです。ホームユーステスト調査が向いているのは、ある程度の期間継続利用して効果がでるもの、多くの対象者が利用できるもの、生活の中でよく利用するものなどなど。ホームユーステスト調査に向いているものを選び、商品をより良いものにして調査して良かったと思えるようにしましょう。
ホームユーステストのデメリットを回避するにはどうしたらいいの？
ホームユーステストには、確かにデメリットはあります。では、どのようにすればデメリットは回避できるのでしょうか。ここでは、デメリットを回避する方法について解説します。
途中離脱を想定しておく
企業側は、モニターが途中離脱するであろう事を最初に想定しなくてはなりません。そうする事で、途中離脱を防ぐ事ができるのです。そもそも、なぜ途中離脱が起きるのか。その1つは内容が分かりづらいからです。コスメや健康食品などは成分などの表記がわかりにくく、モニターのやる気を損なう恐れがあります。
また、使用方法の表記がわかりにくくてもモニターにとっては負担に感じてしまいます。
企業側は、モニターがどうしたらわかりやすくなるのかを考えて発注する事が望ましいです。専門的な知識がなくても、何を書いてあるのかすぐに理解ができて間違いなく使用できるように工夫するのです。
それだけで、モニターの離脱率が減るため大いに役立ちます。
そして、モニターのライフスタイルはいつ変化するのかわかりません。そのため、やむなく離脱する人もいるのだという事も理解しなくてはなりません。企業側は、事前に準備していた人数よりも多くのモニターに声をかけておくか、離脱した時にどう対処するのかを決めておくといいでしょう。
徹底したスクリーンニング調査
信頼できるモニターを探すには、徹底したスクリーンニングが必要です。たとえば、商品の対象となる年齢や性別、更には家族構成などを調べると失敗を避けられます。
また、事前アンケートを実施する事で、モニターの信頼度もわかります。
そして、企業側は公正に判断してくれるモニターを選出する事も大切です。たとえば、何度も何度も同じ人にモニターを依頼してしまうと自然と意見に偏りができてしまいます。
できるだけ、新鮮な意見を聞けるようにする事も大切です。
情報漏洩への対処
企業側にとって、一番不安なのが情報漏洩です。万が一、商品名や使用している素材の情報が広まってしまってはその商品は発送できないのです。
情報漏洩を防止するためには、モニターにその旨をきちんと説明しなくてはなりません。
モニターにとって、試供品を使用している事はさほど重要とは考えていません。そのため、気軽に話したりSNSに載せてしまうのです。
企業側は、モニター規約を作成する時に守秘義務について記載しておく事が大切です。第三者に対して情報を漏らしてはならない事に同意をもらい、万が一違反した場合はどのような処置をとるのかきっちりと記載しておきましょう。また、使用後のパッケージや説明書についても全て回収する事が大切です。
情報漏洩が企業側にどのような損害を与えるのかを伝える事により、モニターの意識も変わってきます。
ホームユーステストは、一定のコストがかかりますが、生の声が聞ける便利なシステムです。普段は意識しないユーザー側の意見も聞けるため更に素晴らしい商品開発にも繋がります。事前にデメリットについて理解し、回避する方法を考えておきましょう。”
