「顧客満足度」という言葉をよく耳にする一方で、「社員満足度」という言葉はあまり重要視されていないのが現状です。社員満足度調査を実施することで、会社のあるべき姿を見つめ直すことができ、さまざまな改善を行うことができます。。
社員満足度調査はメリットだけでなく、デメリットがあることも忘れてはいけません。調査項目の内容や項目数、仕事に支障をきたしたり、社員に負担になったりしないように注意点を参考にしながら社員満足度調査を実施していきましょう。
従業員満足度調査がなぜ必要なのか
従業員満足度調査とは
多くの企業で実施している従業員満足調査とは一体どのようなものなのでしょうか。 従業員満足度調査とは、従業員が会社で働いている状況において、今の状態をどのように感じているのか、その評価をまとめた調査です。従業員にとってできるだけ働きやすい環境でなければならず、この調査は非常に重要な調査になります。
従業員の働く目的は、労働に対して満足できる給料をもらえているのかです。労働に対して満足できる給料をもらえていない場合、企業と従業員のバランスが崩れてしまう恐れがあるので、従業員の今の状況対応するということは非常に重要なことです。その他にも、現在の仕事環境に満足しているのか、人間関係にトラブルがないのか、従業員が働きやすい設備になっているのかどうかなど細かく調査していきます。その満足度を従業員満足度、 ES調査などと呼んでいます。
従業員満足度調査の役割
従業員満足度調査を一つのデータにすることで、企業は従業員に対してどのように接することが良い状態を保てるのか、知ることができるのは企業にとってとても大きな事です。
従業員の今の満足度を容易に確認できることは、これからの経営方針にも非常に重要になってきますし、どのように従業員をリードしていくのか、答えを探ることもスピーディーに実行できるというわけです。
企業を長く存続させることは非常に難しいことです。従業員を厳しすぎず、かと言って甘やかしてはならず、そのバランスを取り続けなければなりません。目では見えないものなので、このような調査は非常に大きな役割を持っています。
時代の変化で従業員の満足度を知ることが重要になった
時代はいつも変化しています。その変化に企業は対応しなければなりません。大きな流れに対して企業が対応できなければ、企業が潰れてしまいます。それは従業員の価値観も大きく変化しています。例えば、サラリーマンが定年まで勤めるのが当たり前だった時代、会社に貢献することこそ人生の全てと思っている従業員が数多く存在していました。
しかしそのような生き方に疑問を持つようになったのが、バブル崩壊と 外資の参入です。バブル崩壊とともに日本経済は低迷し、外国の企業に買収されることになったことから、働き方は大きく変わりました。サラリーマンとして就職しても、定年まで必ずしも入れるのではなくなり、年齢序列であった組織体制が大きく崩れることになりました。その時代の大きな変化により、働く側は、企業に貢献する意識が薄れて、自分の人生の価値も大切に考えるようになりました。
企業に対して疑問を持ち、すぐに転職をしたり、やめてしまう従業員が多くなったのです。会社に貢献するまで従業員は多くのことを学び実力を会社内で発揮できるのは多くの時間を要します。その前に従業員に辞められてしまっては、企業の将来はありません。企業を存続させるため、大きく発展させるためには従業員満足度調査の役割はとても大きくなっています。
従業員満足度調査のメリットは
従業員満足度調査をすることで働きやすい職場に
従業員は、以前よりも働きやすい環境を求めています。しかし企業にとってどのような職場環境が従業員にとって満足し、力を発揮しやすい状況を作ることができるのか、大きな問題です。その問題を解決するためには、従業員の今の現状、詳しい状況を把握する必要があります。従業員に対して直接意見を求めることも悪いことではありませんが、その相手が上司であった時、本当のことは述べることは難しいでしょう。アンケートをとることで従業員は実際に考えていることを正確に伝えることができ、企業は今の状況を正確に知ることができます。そして、正確に知ることができればすぐに対応することができ、従業員は理想に近い労働環境で働くことができ、企業にとっても成長するきっかけになるのです。
福利厚生を整えることで、従業員に安心感を与える
従業員が働きやすい環境を整えるため、福祉厚生は非常に重要なものです。
従業員は、労働時間を給料という形で恩恵を受けます。企業にとって給料を抑えることができれば、そのお金を企業に回すことができ将来の資金として貯めこむことができます。しかしそれを長期間続けることは従業員にとって良い労働環境とは言えません。経済が低迷している時には、企業の今の現状から給料を低く設定しなければならないこともあるでしょう。
そのような厳しい時にも従業員が特別受けることができる福祉厚生が整っていれば、従業員の不満も解消できる可能性があるのです。しかしその福利厚生も対して満足できるものでなければ意味がありません。どのような福利厚生が従業員にとって必要なのか、内容を考える場合にも定期的な従業員満足度調査は必要なのです。
企業の問題点をいち早く発揮できる可能性
企業が伸び悩んでいる時、多くの場合考えるのは経営方針が間違っているからという理由が多いでしょう。しかし、企業の問題点は必ずしも経営方針が原因ではないかもしれません。
例えば、どんなに優秀な従業員を集められたとしても、チームとして機能しなければ何も意味がないのです。企業は、個、グループ、チームとしてバランスをとりながら力を発揮していかなければ大きな発展は望めません。どのような部分に問題点があるのかアンケートをとることで原因を突き止めることができ、大きな問題に発展する前に解決することができるのも大きなメリットと言えるでしょう。
社員満足度調査を実施する上でのデメリット
まずは、社員満足度調査のデメリットについて、いくつか紹介します。すべての企業が当てはまるわけではありませんが、自分の会社が該当するという人はぜひ参考にしてみてください。
社員満足度調査を実施するまでに準備時間やコストがかかる
社員満足度調査を実施するには企業側が社員にの気持ちになって、調査項目を考える必要があります。内容は細かすぎても面倒になり、薄すぎても欲しい社員の声を得ることができなかったりと効果が期待できません。
社員への配布や集計を円滑化するためにシステムを導入すると、システム導入にコストがかかってしまいます。コストがかかったわりに、社員満足度向上に必要な情報が得られないようでは実施する意味がなくなってしまいます。
社員満足度調査を実施するだけでは改善できない
社員満足度調査は調査・集計・改善のすべてを行い進めていくことを言います。つまり社員満足度調査は、実施して終わりではないと言うことです。集計を行い、問題点が発生した場合、さらに調査、改善する必要があります。
人手がかかるのはもちろん、コストや時間がかかることも事前に把握しておくことが大切です。
社員満足度調査は複数回行う必要がある
社員満足度調査は1回実施するだけでは、企業改善を行うことはできません。定期的に実施することで、社員の気持ちの変化を知ることができます。複数回実施するということは、人手やコストがその都度かかるということです。
実施したことを無駄にしないためには複数回実施するすべての社員満足度調査において、丁寧かつ簡潔に調査を実施することが大切です。
社員満足度調査を行う上での注意点
社員満足度調査を失敗なく実施するためには、さまざなま注意点があります。紹介する注意点を参考にしながら、準備や実施を進めていましょう。
社員が素直に自分の気持ちを回答できる環境づくりをする
社員満足度調査は社員とって、正直面倒くさく、時間の無駄になるものだと思われがちです。自分の気持ちを素直に回答することで、自分や自分の部署、上司に影響がないかを考え、当たり障りのない回答をしてしまう社員も少なくありません。
無記名で実施されてはいるが調べれば誰の回答か簡単にわかるようでは、社員は本音を書こうという気持ちにはなれません。そのため、社員満足度調査を行うには社員が自分の気持ちを素直に回答できる環境づくりや実施方法を取り入れていくことが大切です。
そして、社員満足度調査を数回行った後には目に見える形で結果を社員に見せることで、社員に「意味のある調査なんだ」と実感してもらうことも重要なポイントです。社員満足度調査のおかげで改善されたと実感できれば、それ以降の調査にも積極的に参加する社員が増えるので効果的です。
定期的に社員満足度調査を実施し定着させる
社員満足度調査は先ほどもお伝えしたように、1回きりの実施では意味がありません。定期的に複数回実施するということを社員に定着させ、企業が社員の気持ちを知りたがっているということをアピールしましょう。
社員満足度調査を実施し改善を続けることで、企業の成長はもちろん社員同士の信頼関係を向上させることにもつながります。社員の声をより多く集めることで問題点を導き出すことができるので、社員の負担にならない程度に定期的に実施するようにしましょう。
調査項目の数や質問の文章の長さに気をつける
社員満足度調査の調査票を作成する際には、社員が面倒くさくならないような工夫が大切です。調査項目が多すぎるとやる気が失せてしまい、回答内容も薄くなってしまいます。
質問の文章の長さにも注意が必要で、あまりにも長すぎたり、くどい聞き方をしたりすると回答しにくくなる原因になります。社員をこれくらいなら答えてもいいな、わかりやすいから簡単に調査に参加できるなという気持ちにさせることが重要です。
かといって、調査票をマークシートにしたり、5段階評価にしたりすると、社員にとっては簡単で答えやすくても内容の薄い調査になってしまいます。自分の言葉で回答できる欄も必ず設け、結果に繋がる調査にしましょう。
必要な内容の得られる項目設定を行う
調査票を作成する際にもう1つ重要なポイントは、目的がはっきりとした項目設定を行うことです。社員に「なぜこんな質問をするんだろう？」と疑問を抱かせるような内容は企業への不信感を持たせてしまう原因になるので注意しましょう。
企業が気になっている項目を挙げ、優先順位を立てることで項目設定もしやすくなります。2回目以降は1回目の集計内容を元に、項目設定をするとさらにスムーズに準備できるようになります。
このように社員満足度調査を行うことで、メリットがあるだけでなくデメリット、注意点があるということがわかります。紹介した点を重視するだけでも社員満足度調査の質は向上しますし、結果に繋がる可能性も上がります。
社員満足度調査は社員が気持ちよく仕事に打ち込める環境づくりをするための調査であり、企業のためだけのものではありません。社員の士気が上がることで企業も成長できるので、その点を念頭において実施していきましょう。
調査した結果、満足度の低い原因要因が自分たちの提供している商品やサービスに帰結する事も考えられます。その場合は従業員側の意見だけでなく顧客の声を拾いに行かなければなりません。
顧客満足度調査の目的や手法については下記を参照してみてください。
社員満足度調査を安く実施する良いアイディアとは？
中小企業や大手企業であれば、社員満足度調査を行う機会も多くあるでしょう。社員満足度調査は、従業員が現状にどれくらい満足しているかを把握するための重要な調査であるため、もし、従業員が現状に満足していない場合、人員流出の危機があります。
待遇面、人間関係、職場環境、労働環境など、いろいろな項目を調査することになります。
しかし、社員満足度調査を行う場合には何かとお金がかかることが多く、できるだけ安く社員満足度調査を実施したいという企業も多いのでないでしょうか？その場合、社員満足度調査を安くするためのアイディアを考える必要性があります。
社員満足度調査を行う際、リサーチ会社あるいは、人事コンサルティング会社に社員満足度調査を依頼すれば、調査費用として1回につきおよそ20万円～40万円ほどかかってしまうのです。
そのため、もう少し費用を抑えたいとお考えの企業であれば、社員満足度調査を安くする良いアイディアを見つけ出すことが大切。社員満足度調査を安く行うアイディアとして、「アンケートツール」を活用することがあります。アンケートツールを活用することで、自社で数万円ほどで社員満足度調査を行うことができます。
社員満足度調査でアンケートツールを活用するメリット
社員満足度調査を安く実施するためには、アンケートツールを活用するのが良いです。アンケートツールを活用するメリットとして、社員満足度調査を安く実施できるというという点があります。先ほどご紹介したように、外部の調査会社に依頼すれば、最低でも20万円ほどは社員満足度調査をするのにかかってしまうのです。
しかし、アンケートツールであれば、うまくいけば数万円で社員満足度調査を行うことが可能となります。これは社員満足度調査を安く実施したい企業にとっては、非常に魅力的なものとなるでしょう。従業員一人一人の考えていること、どれくらい現状に満足しているかの指標を知ることができる社員満足度調査ですし、安く実施できれば非常にありがたいはずです。
Googleフォームを活用し社員満足度調査を安く実施させるのも手
アンケートツールを活用することで社員満足度調査を安く実施することが可能ですが、もっと社員満足度調査を実施するための費用を安く抑えたい場合だと、Googleフォームを活用するのがおすすめです。
Googleフォームとは、Googleが提供しているアンケート作成、管理ソフトウェアのことです。 Googleフォームを有効活用すれば、無料でアンケートを作成することができ、コストパフォーマンスや利便性に優れています。
作る手間こそかかるのですが、どうしても社員満足度調査を安く実施したい企業ならば、Googleフォームでアンケートを作成するのも有効な手段となるでしょう。
従業員数が多いほど高額になる社員満足度調査
当たり前といえば当たり前ですが、社員満足度調査は従業員数が多いほど高額になります。そのために、従業員が1000人ほどいる企業が調査会社に依頼をするとなると、40万円ほどかかってしまうケースも珍しくありません。
また、質問項目が多いほど高額になるのが社員満足度調査なので、項目を減らすことで安く抑えることは可能ですが、それだと質問数が限られ、本当に知りたかった情報を入手できない可能性があります。そのため、悩ましいといえるでしょう。
そこで、他社に頼らずに、自社で社員満足度調査を実施するというのも方法となります。そうすることでコストを抑えることができます。
社員満足度調査でお金をかけたくないならばGoogleフォームで作成
中には、経営面でかなり苦しくて、社員満足度調査にかけるお金がないという企業もあるでしょう。その場合、Googleフォームを使って社員満足度調査を行うのが良いです。
社員満足度調査に必要となるアンケート項目を作成することができるため、非常に利便性やコストパフォーマンスに優れているのがGoogleフォームです。安く社員満足度調査を実施するためのアイディアを知りたい場合には、Googleフォームを使ってみてはいかがでしょうか。
そうすることで、コストをほとんどかけずに社員満足度調査を行うことができるためおすすめです。
